飲酒による男性不妊

飲酒をする男性は不妊症になりやすいのか、アルコールと男性不妊について詳しく解説します。

アルコールと男性不妊の関係性

過度なアルコール摂取を長期にわたって続けると、体に必要なビタミン・ミネラルが大量に消費されていきます。

とくに男性ホルモンの合成や生殖機能の維持に欠かせない亜鉛は、アルコールによって尿中への排泄が促進されてしまうため注意が必要。亜鉛が不足すると男性機能が低下し、ED(勃起障害)が起こることもあるのです。

また、アルコールで肝臓機能が低下するとテストステロン(男性ホルモンの一種)の量が減少。こちらもEDを引き起こすキッカケとなるケースがあります。

飲酒における男性不妊の研究データ

2016年に発表された「Semen quality and alcohol intake: a systematic review and meta-analysis. 飲酒と精子の質:メタ解析の結果」という論文は、15の論文からアルコールと精液所見の関係性を解析したもの。この論文によると、精子の量・運動量・濃度・正常形態率のすべての項目において、アルコールを飲まない人のほうが飲む人よりもデータ結果がよいことが分かっています。

その他にも、「ときどき飲酒をする人、まったく飲まない人」「普段から飲酒習慣がある人、まったく飲まない人」「1年以内にパートナーが妊娠した男性、不妊症の男性」などについても比較検討していますが、すべてにおいてアルコールを飲まない人のほうがデータ結果は優勢となりました。

不妊治療中は断酒すべき?

通常範囲内でのアルコール摂取とテストステロンの減少には、深い関連性はないとされています。注意すべきは大量のアルコールを継続的に摂取している場合のみであり、適量のアルコールをときどき摂取する程度であれば問題はないでしょう。

ただし、アルコールの種類には配慮するべきです。とくにビールにはテストステロンのはたらきを阻害するナリンゲニンという物質が含まれているため、大量に飲み続けるのは避けたほうが良いでしょう。

EDになってしまったら?

もしかしたらEDかもしれない…といった症状がある場合、できるだけ早めに対策を考えるべきです。病院へ行くなら、検査から治療まで受けられる不妊治療施設または泌尿器科併設のクリニックがおすすめ。早期であればあるほど、簡単な治療で改善できるケースが多くなっています。

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不妊治療を行うことによって考えられるリスク

不妊治療の方法によっては、多胎を発生させてしまう可能性が高くなると言われています。

  • 多胎による母体側のリスク:妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病をはじめとする合併症の発症
  • 多胎による胎児側のリスク:流早産、発育遅延や低出生体重児(2,500g未満)の出生、先天異常、新生児の死亡率の上昇、障害発症の可能性

多胎妊娠にともなう母子のリスクを回避するために、日本産科婦人科学会と日本生殖医学会は、学会員にむけて体外受精における移植胚数を原則1個にするように指示を出しました。これにより、体外受精における多胎妊娠の頻度は減少しています。

高度生殖医療におけるリスク

体外受精・顕微授精といった、体外で行う不妊治療をまとめて高度生殖医療と呼びますが、体外受精には卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、麻酔の合併症、採卵時の卵巣周辺臓器(血管・腸管・膀胱など)損傷といったリスクの可能性があります。また、顕微授精においては低出生体重児の傾向があり、心臓や呼吸器に障害を持つリスク、自閉症や注意欠陥多動性障害のリスクが高いとする報告があがっています。その他、精子凍結に関しては、凍結させた精子を融解する際に精子の運動率が50~80%ほどダウンすることが分かっています。ただし、融解後は再度精子の精製を行い、活発な精子のみを集めて治療に用いています。今のところ、凍結保存をした精子を使って生まれた子どもに先天奇形や発育不良が多くなるといった報告はありません。

男性不妊治療におけるリスク

男性不妊治療「TESE」におけるリスクとして、創部痛、発熱、精巣上体炎、陰嚢内血腫などの合併症が考えられます。予想外の合併症が起きる可能性がゼロとは言えないため、専門クリニックにしっかりと相談をしましょう。不妊治療専門の医療機関で処方されるサプリメント(漢方薬やビタミン剤、ホルモン剤など)を用いた薬物療法の副作用やリスクについては、医師にご確認ください。(2019年2月現在)