顕微授精について

顕微授精は以下のような流れで行われる不妊治療です。

  1. 排卵誘発剤を用いて卵巣機能を促進させる。
  2. 超音波で卵巣内の卵胞を確認し、採卵針で卵子を採取する。
  3. 精子をピペットで1匹採取し、顕微鏡下で卵子に注入・受精させる。
  4. 受精卵を3~5日培養する。
  5. 胚移植で経膣的に子宮内へ戻す。

どのような方に適している治療で、メリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

顕微授精が適している夫婦について

顕微授精が用いられるのは、標準体外受精(IVF)を実施しても受精が成立しない夫婦、または乏精子症・精子無力症などで体外受精に期待が持てないと診断された夫婦が基本。顕微授精は精子が1個でもあれば治療を受けられますし、標準体外受精よりも受精の確率が高くなります。また、精子に奇形があったり、抗精子抗体が陽性であっても治療を受けることができます。

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顕微授精の方法について

顕微授精とは、卵細胞質内精子注入法(ICSI:Intracytoplasmic sperm injection)と呼ばれる不妊治療。400倍の顕微鏡で精子を厳選し、細いガラス針を使って卵子へ注入する方法です。精子はそのまま卵子へ注入しても受精をしないため、まず精子の尾部を擦って精子の動きを穏やかにする不動化という処理を実施。不動化した精子を卵子へ注入するのが特徴です。

IMSI(ntracytoplasmic morphyologically selected sperm injection)も顕微授精の一種ですが、6,000倍という超高倍率の顕微鏡で精子を厳選するのが特徴。標準的なICSIでは確認できない精子の形態(奇形など)を確認して、より良好な状態の精子を選べるのが特徴です。

年齢が若い方であればICSIでもIMSIでもあまり結果は変わりませんが、年齢を重ねて質の良い精子を採取しにくくなった場合にIMSIは有効となります。

顕微授精のリスク

顕微授精によって生まれてくる子どもに奇形や先天異常が多くなる、といったリスクは報告されていません。ただし、男性不妊の原因が染色体や遺伝子にあった場合、生まれてくる子ども(男児)に精子減少症が見られるケースが7~8%ほど報告されています。

また、顕微授精は体外受精よりもさらに人工的な不妊治療となり、比較的歴史の浅い治療法となるため、未確認のリスクが存在する可能性は考慮すべきでしょう。

不妊治療を行うことによって考えられるリスク

不妊治療の方法によっては、多胎を発生させてしまう可能性が高くなると言われています。

  • 多胎による母体側のリスク:妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病をはじめとする合併症の発症
  • 多胎による胎児側のリスク:流早産、発育遅延や低出生体重児(2,500g未満)の出生、先天異常、新生児の死亡率の上昇、障害発症の可能性

多胎妊娠にともなう母子のリスクを回避するために、日本産科婦人科学会と日本生殖医学会は、学会員にむけて体外受精における移植胚数を原則1個にするように指示を出しました。これにより、体外受精における多胎妊娠の頻度は減少しています。

高度生殖医療におけるリスク

体外受精・顕微授精といった、体外で行う不妊治療をまとめて高度生殖医療と呼びますが、体外受精には卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、麻酔の合併症、採卵時の卵巣周辺臓器(血管・腸管・膀胱など)損傷といったリスクの可能性があります。また、顕微授精においては低出生体重児の傾向があり、心臓や呼吸器に障害を持つリスク、自閉症や注意欠陥多動性障害のリスクが高いとする報告があがっています。その他、精子凍結に関しては、凍結させた精子を融解する際に精子の運動率が50~80%ほどダウンすることが分かっています。ただし、融解後は再度精子の精製を行い、活発な精子のみを集めて治療に用いています。今のところ、凍結保存をした精子を使って生まれた子どもに先天奇形や発育不良が多くなるといった報告はありません。

男性不妊治療におけるリスク

男性不妊治療「TESE」におけるリスクとして、創部痛、発熱、精巣上体炎、陰嚢内血腫などの合併症が考えられます。予想外の合併症が起きる可能性がゼロとは言えないため、専門クリニックにしっかりと相談をしましょう。不妊治療専門の医療機関で処方されるサプリメント(漢方薬やビタミン剤、ホルモン剤など)を用いた薬物療法の副作用やリスクについては、医師にご確認ください。(2019年2月現在)