胚培養・胚移植について

胚培養・胚移植による不妊治療がどのような夫婦に適しているのか、各治療ごとに流れをまとめました。

胚培養・胚移植の流れ

  1. 体外受精・顕微授精を行った卵子を顕微鏡で観察し、受精を確認。
  2. 異常のある受精卵を排除し、専用の培養液を用いて受精卵を培養。この際、最適な状態に管理された環境で培養を行う必要があります。
  3. 一定期間培養を行ったあと胚移植を実施。専用のカテーテルを用いて、経膣的に子宮へと胚を戻します。

胚培養・胚移植が適している夫婦について

子宮内でなかなか受精卵が育たないといった場合、胚培養・胚移植が検討されます。胚培養を行えば、ある程度育った良質な受精卵を子宮へ戻すことができるため、妊娠の可能性を高めることができます。また、不妊の原因が着床条件なのか胚の質なのか分かりにくい場合でも、胚移植を行えば問題を判別することができます。

胚凍結の流れ

  1. 耐凍剤濃度の高い凍結液に受精卵を浸す。
  2. マイナス196℃の液体窒素に直接接触させ、胚を凍結・保存。
  3. 治療を受ける際に受精卵を融解。融解後の胚生存率は90~99%。

※主流となっているガラス化保存法による胚凍結について解説。

胚凍結が適している夫婦について

胚凍結とは、体外受精でできた余剰胚を凍結保存するもの。胚凍結をしておけば再度採卵する必要がなくなり、万が一受精ができなくても凍結胚を使って再び体外受精を受けることができます。そのため、何度も治療を受けて身体的・精神的に負担を感じている夫婦に適しています。また、1度に1個ずつの胚を移植できるため、多胎のリスクを減らしたい夫婦にも◎です。

凍結融解胚移植の流れ

  1. 凍結胚を、採卵した周期と別の周期に融解。
  2. 融解させた凍結胚を数時間~数日ほど培養する。
  3. 状態を確認し、子宮内へ移植。移植法には、事前に卵胞ホルモン剤を用いて子宮内膜を厚くするホルモン補充周期法と、自然排卵に合わせる自然周期法があります。

凍結融解胚移植が適している夫婦について

排卵誘発剤を用いた体外受精を受けている(または受けていた)場合、誘発剤の影響で妊娠しにくい子宮になっている可能性があります。凍結融解胚移植であれば、タイミングをずらして子宮を休ませられるため、ベストな状態で受精卵を移植してもらえます。着床率が高く、流産率が低くなるため、採卵周期移植で良い結果が得られていない夫婦に適しています。

高度生殖医療におけるリスク

体外受精・胚移植といった、体外で行う不妊治療をまとめて高度生殖医療と呼びますが、排卵誘発剤・採卵・麻酔などによる身体的負担、精神的負担、経済的負担が大きくなりがちです。さまざまな負担やリスクを軽減するためにも、相談や治療体制が整った専門クリニックを選ぶようにしましょう。

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不妊治療を行うことによって考えられるリスク

不妊治療の方法によっては、多胎を発生させてしまう可能性が高くなると言われています。

  • 多胎による母体側のリスク:妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病をはじめとする合併症の発症
  • 多胎による胎児側のリスク:流早産、発育遅延や低出生体重児(2,500g未満)の出生、先天異常、新生児の死亡率の上昇、障害発症の可能性

多胎妊娠にともなう母子のリスクを回避するために、日本産科婦人科学会と日本生殖医学会は、学会員にむけて体外受精における移植胚数を原則1個にするように指示を出しました。これにより、体外受精における多胎妊娠の頻度は減少しています。

高度生殖医療におけるリスク

体外受精・顕微授精といった、体外で行う不妊治療をまとめて高度生殖医療と呼びますが、体外受精には卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、麻酔の合併症、採卵時の卵巣周辺臓器(血管・腸管・膀胱など)損傷といったリスクの可能性があります。また、顕微授精においては低出生体重児の傾向があり、心臓や呼吸器に障害を持つリスク、自閉症や注意欠陥多動性障害のリスクが高いとする報告があがっています。その他、精子凍結に関しては、凍結させた精子を融解する際に精子の運動率が50~80%ほどダウンすることが分かっています。ただし、融解後は再度精子の精製を行い、活発な精子のみを集めて治療に用いています。今のところ、凍結保存をした精子を使って生まれた子どもに先天奇形や発育不良が多くなるといった報告はありません。

男性不妊治療におけるリスク

男性不妊治療「TESE」におけるリスクとして、創部痛、発熱、精巣上体炎、陰嚢内血腫などの合併症が考えられます。予想外の合併症が起きる可能性がゼロとは言えないため、専門クリニックにしっかりと相談をしましょう。不妊治療専門の医療機関で処方されるサプリメント(漢方薬やビタミン剤、ホルモン剤など)を用いた薬物療法の副作用やリスクについては、医師にご確認ください。(2019年2月現在)