精子凍結について

精子凍結は以下のような流れで行われる不妊治療です。

  1. 自宅または医療機関で精子を採取。
  2. 精子の濃度・運動率・形態などを検査し、凍結する個数を決定。
  3. 遠心分離機を用いて質の高い精子を厳選し、凍結保護剤と混和。マイナス196℃の液体窒素内で凍結保存。

どのような方に適している治療で、メリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

精子凍結保存が適している男性について

精子凍結保存が適しているのは、長期出張が多いなどの理由で、人工授精・体外受精・顕微授精を実施する日に休みの都合をつけにくい男性。あらかじめ凍結保存させておけば、治療当日に生きた精子を使用できるようになります。

また、悪性腫瘍(がん)や白血病等で化学療法・放射線療法などを受ける予定がある男性にも有効。治療の影響を受ける前に精子を凍結保存しておくことで、将来的な妊娠のチャンスを残すことが可能です。その他にも、精子の数や運動率が芳しくない場合、何度か採取・凍結保存をして精子を確保しておくこともあります。

精子凍結保存に対応している横浜の不妊治療院を見る

精子凍結保存のメリット

一度凍結させた精子は、半永久的に保存できるのが特徴です。精子凍結をしておけば、何らかの理由で夫が治療当日に精液を採取できないといった状況になっても、問題なく体外受精・顕微授精などを受けることができます。また、乏精子症や精子無力症の場合、凍結させた複数回分の精子をまとめて使用することにより、精子濃度・運動率を高めることもできます。

精子凍結保存のデメリット

精子凍結保存にかかる費用は、1回あたり20,000円ほど。ただし凍結保存を継続するには定期的な更新が必要となるため、半年~1年ごとに30,000円前後の更新料が必要となります。また、期間の延長や廃棄をする際には本人の署名・捺印などが必要となることもあるため、ある程度の手間がかかります。

精子凍結保存のリスク

凍結させた精子は使用前に融解させますが、その際に精子の運動率は50~80%ほどダウンすることが分かっています。ただし、融解後は再度精子の精製を行い、活発な精子のみを集めて治療に用いるため、結果が大きく左右されることはないようです。

また、凍結保存をした精子を使って生まれた子どもに先天奇形や発育不良が多くなるといった報告はありませんが、比較的新しい治療法であるため、何らかの影響が見られる可能性は孕んでいます。

不妊治療を行うことによって考えられるリスク

不妊治療の方法によっては、多胎を発生させてしまう可能性が高くなると言われています。

  • 多胎による母体側のリスク:妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病をはじめとする合併症の発症
  • 多胎による胎児側のリスク:流早産、発育遅延や低出生体重児(2,500g未満)の出生、先天異常、新生児の死亡率の上昇、障害発症の可能性

多胎妊娠にともなう母子のリスクを回避するために、日本産科婦人科学会と日本生殖医学会は、学会員にむけて体外受精における移植胚数を原則1個にするように指示を出しました。これにより、体外受精における多胎妊娠の頻度は減少しています。

高度生殖医療におけるリスク

体外受精・顕微授精といった、体外で行う不妊治療をまとめて高度生殖医療と呼びますが、体外受精には卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、麻酔の合併症、採卵時の卵巣周辺臓器(血管・腸管・膀胱など)損傷といったリスクの可能性があります。また、顕微授精においては低出生体重児の傾向があり、心臓や呼吸器に障害を持つリスク、自閉症や注意欠陥多動性障害のリスクが高いとする報告があがっています。その他、精子凍結に関しては、凍結させた精子を融解する際に精子の運動率が50~80%ほどダウンすることが分かっています。ただし、融解後は再度精子の精製を行い、活発な精子のみを集めて治療に用いています。今のところ、凍結保存をした精子を使って生まれた子どもに先天奇形や発育不良が多くなるといった報告はありません。

男性不妊治療におけるリスク

男性不妊治療「TESE」におけるリスクとして、創部痛、発熱、精巣上体炎、陰嚢内血腫などの合併症が考えられます。予想外の合併症が起きる可能性がゼロとは言えないため、専門クリニックにしっかりと相談をしましょう。不妊治療専門の医療機関で処方されるサプリメント(漢方薬やビタミン剤、ホルモン剤など)を用いた薬物療法の副作用やリスクについては、医師にご確認ください。(2019年2月現在)