助成金の申請対象となる不妊治療

横浜市は、健康保険が適用されない不妊症治療の経済的負担を軽減するために助成金を用意しています。どんな治療が対象となるのか、申請はどのように行えばいいのか、詳しく見ていきましょう。

横浜市で助成対象となる不妊治療
【2019年5月20日時点】

横浜市が助成しているのは、不妊治療の中でも高額な医療費がかかる「特定不妊治療(体外受精顕微授精)」です。医師から「特定不妊治療以外の方法で妊娠する可能性は極めて低い」と診断された場合、助成の対象となります。

男性不妊の助成に力を入れている横浜市

また、横浜市は男性不妊治療にも力を入れているエリア。体外受精や顕微授精で必要となる精子採取にかかる費用の一部も助成しています。

2019年(平成31年)4月1日より男性不妊の初回治療の上限額が30万円に引き上げられました。

横浜市にある特定不妊治療費助成事業の指定医療機関

不妊治療を横浜市に助成してもらう基本条件は「横浜市にある特定不妊治療費助成事業で治療を受けること」です。ちなみに当サイトに掲載しているクリニックは、すべて横浜市特定不妊治療費助成事業の指定医療機関(2019年1月時点)。助成金はどのクリニックでも申請できますが、指定期間や治療費などがクリニックによって異なるため、事前に問い合わせておくことをおすすめします。

不妊治療の検査項目が多い
専門医のいる横浜のクリニックを集めました

横浜市で助成金を受け取る条件

横浜市の助成金は、特定不妊治療費助成事業の指定医療機関にて対象の治療を受けるほか、次の4つの条件を満たす必要があります。

横浜市の助成金の申請期間

助成金の申請は、治療の終了日から必ず60日以内に行いましょう。治療の終了日とは妊娠の確認検査をした日、またはやむを得ずに治療を中断した日を指します。複数回にわたって治療を受ける場合は、その都度役所に申請してください。

横浜市の助成申請に必要な書類

助成金の申請には、以下の8種類の書類が必要です。1~3は横浜市こども青少年局のサイトからダウンロードが可能。

5~8は、申請日から3か月以内に発行されたものならコピーでも問題ありません。早めに揃えておくと良いでしょう。

  1. 横浜市特定不妊治療費助成申請書(第1号様式)※初めて助成を受ける時のみ
  2. 横浜市特定不妊治療費助成受診等証明書(第2号様式)
  3. 同意書(第3号様式)
  4. 治療費の領収書のコピー(保険適用外診療分)
  5. 住民票 ※個人番号(マイナンバー)の記載のがないもの
  6. 戸籍謄本
  7. 住民税課税(非課税)証明書 ※総所得金額と所得控除額が記載された、夫婦それぞれの証明書
  8. 戸籍の附票

不妊治療内容と助成金の上限

横浜市の不妊治療における助成金は、治療の内容や回数によって上限額が定められています。

男性不妊治療を受ける場合、特定不妊治療の助成とは別途、男性不妊治療向けの助成金を受け取れます。

特定不妊治療(体外受精・顕微授精)
新鮮胚移植 初回30万円、2回目以降15万円
凍結胚移植 初回30万円、2回目以降15万円
以前凍結した胚を凍結して胚移植 7万5千円、2回目以降7万5千円
体調不良などで移植の目処がたたずに治療終了 初回30万円、2回目以降15万円
受精しなかった、または胚分割停止や変性・多精子授精など異常授精などによって中止 初回30万円、2回目以降15万円
採卵したが、卵が得られなかったり、状態のよい卵が得られなかったとき 7万5,000円、2回目以降7万5,000円

特定不妊治療と同じ自費診療でも、証明書代をはじめとする文書料・入院費・食費などは助成金の対象とならないため、ご注意ください。

横浜市の不妊治療における助成回数と対象

  1. 初めて助成を受けた治療開始時の妻の年齢が39歳以下:43歳になるまで通算6回
  2. 初めて助成を受けた治療開始時の妻の年齢が40歳以上:43歳になるまで通算3回

横浜市における特定不妊治療の助成範囲は、2016年(平成28年)4月1日に大きく見直されました。2016年3月31日までは年齢制限がありませんでしたが、新しい対象範囲は43歳未満に限定されています。そのため、40歳になってから不妊治療を始めても助成を受けられません。助成金を活用したい方は、40歳になるまでに通算6回の特定不妊治療を受けましょう。

また、前制度は年2~3回しか助成金を受けられなかったのに対して、新制度では年間何回でも助成を受けられるようになりました。早いうちから不妊治療に取り組めば、助成金で経済的負担を大幅に減らせるでしょう。

横浜市の不妊治療費助成金申請に必要な領収書について

不妊治療の助成金の申請には領収書が必要です。領収書は以下の点に注意して用意・提出してください。

助成限度額を超える場合は領収書のコピーを用意する

もし不妊治療の費用が助成金上限額を超えてしまった場合、そのことが確認できるように領収書のコピーを用意しておきましょう。

横浜市の助成対象となる不妊治療の期間について

横浜市の助成の対象となるのは、採卵または胚移植のためにホルモン治療を始めた日から、医師による妊娠確認検査が行われた日まで。ホルモン治療を受けない場合は、治療周期の月経初日から医師による妊娠確認検査が行われた日までが対象となります。胚移植にいたらなかった場合は、医師が治療を中断した時点で期間終了となります。

横浜市の不妊治療助成金を外国人が受ける場合

横浜市の不妊治療の助成条件を満たしている場合、外国人でも助成を受けられます。課税基準日時点で国内に住民登録がない場合、助成金の申請に必要な書類の他にパスポートの写しが必要です。

不妊治療の間隔があいた場合の助成金申請について

採卵・受精後に、胚を凍結して間隔を開けてから胚移植をしたとします。この場合、主治医が計画した治療方針に基づいて一連の治療を受けてから凍結胚移植を実施。妊娠確認検査をした時点で助成金の申請をします。

不妊治療を行うことによって考えられるリスク

不妊治療の方法によっては、多胎を発生させてしまう可能性が高くなると言われています。

  • 多胎による母体側のリスク:妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病をはじめとする合併症の発症
  • 多胎による胎児側のリスク:流早産、発育遅延や低出生体重児(2,500g未満)の出生、先天異常、新生児の死亡率の上昇、障害発症の可能性

多胎妊娠にともなう母子のリスクを回避するために、日本産科婦人科学会と日本生殖医学会は、学会員にむけて体外受精における移植胚数を原則1個にするように指示を出しました。これにより、体外受精における多胎妊娠の頻度は減少しています。

高度生殖医療におけるリスク

体外受精・顕微授精といった、体外で行う不妊治療をまとめて高度生殖医療と呼びますが、体外受精には卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、麻酔の合併症、採卵時の卵巣周辺臓器(血管・腸管・膀胱など)損傷といったリスクの可能性があります。また、顕微授精においては低出生体重児の傾向があり、心臓や呼吸器に障害を持つリスク、自閉症や注意欠陥多動性障害のリスクが高いとする報告があがっています。その他、精子凍結に関しては、凍結させた精子を融解する際に精子の運動率が50~80%ほどダウンすることが分かっています。ただし、融解後は再度精子の精製を行い、活発な精子のみを集めて治療に用いています。今のところ、凍結保存をした精子を使って生まれた子どもに先天奇形や発育不良が多くなるといった報告はありません。

男性不妊治療におけるリスク

男性不妊治療「TESE」におけるリスクとして、創部痛、発熱、精巣上体炎、陰嚢内血腫などの合併症が考えられます。予想外の合併症が起きる可能性がゼロとは言えないため、専門クリニックにしっかりと相談をしましょう。不妊治療専門の医療機関で処方されるサプリメント(漢方薬やビタミン剤、ホルモン剤など)を用いた薬物療法の副作用やリスクについては、医師にご確認ください。(2019年2月現在)