40代以上の高齢不妊治療について

40代以上の高齢不妊でも出産できるのか気になっている方に向け、過去の妊娠・出産データをご紹介しています。

また、40代以上を対象に行われる一般的な不妊治療についても解説しています。

高齢で妊娠・出産するのは難しい?

女性は37歳から38歳頃に卵巣機能と女性ホルモンの分泌量が急激に低下します。そのため、40代になると30代の頃よりもぐんと妊娠・出産が困難に。近年、医療の発展によって以前は分からなかった不妊の原因も明らかになっていますが、40代以上の高齢不妊に関しては卵巣機能の問題なので治療の効果があらわれにくい傾向があります。20代から30代の頃に不妊の要素を持っていなかった女性も、40歳を過ぎると妊娠・出産できる確率が下がってしまうことを知っておきましょう。

40代以上の妊娠・出産データ

年齢別に見る不妊治療を受けた女性の分娩率

30歳 35歳 40歳 45歳
分娩率 19.9% 16.3% 7.7% 0.6%

参照元:厚生労働省「不妊に悩む方への特定地領支援事業などのあり方に関する検討会」報告書参考資料(16 不妊治療における年齢と生産分娩率)【PDF】

上記は2010年に発表された「不妊治療(体外受精)を受けた女性の年齢ごとの分娩率」をわかりやすく表にまとめたものです。30代の分娩率が15%以上なのに対して、40代の分娩率は10%を下回っています。

このデータから、数%ではありますが40歳以上で妊娠・出産している女性がいる事実。そして、30代と比べると40代で妊娠・出産できる確率は大きく下がってしまうことがわかります。

治療回数ごとの累積分娩率(ART治療)

1回 3回 5回 9回
34歳以下 約30% 約47% 約62% 約69%
35~39歳 約20% 約38% 約40% 約43%
40歳以上 約8% 約10% 約10% 約10%

参照元:厚生労働省「不妊に悩む方への特定地領支援事業などのあり方に関する検討会」報告書参考資料(18 年齢別にみた累積分娩率)【PDF】

こちらは、国立成育医療研究センターが2006年から2008年にかけて調査した179症例のデータをわかりやすく表にまとめたものです。30代前半の女性は治療回数が増えるごとに分娩率が上がっていますが、30代後半の女性は3回目以降からほとんど横ばいの状態。40代以上の女性に関しては、治療回数があまり影響していないことがわかります。

妊娠を望むなら一日も早く不妊治療を受けたほうが良いこと。そして、40代から不妊治療を始めるなら、妊娠・出産できる可能性もありますが一筋縄ではいかないことを知っておきましょう。

40代以上の女性に適している不妊治療

顕微授精(ICSI・IMSI)

高倍率の顕微鏡を使って形の良い精子を採取したのち、体外受精する(体外で受精卵をつくる)不妊治療です。一般な体外受精(媒精)は、採取した1つの卵子に対して10万から20万匹の精子をふりかけ、自然と受精するのを待ちます。一方、顕微授精は顕微鏡を覗きながら1つの卵子に対して1つの精子を注入するため、精子の動きが弱いケースでも人工的に受精できる仕組み。

顕微授精は、これまで一般的な体外受精を繰り返し受けても妊娠しなかった40歳以上の女性に適しています。また、パートナーの男性が精子無力症だった場合、または女性が精子のはたらきを妨げる自己抗体をもっていた場合などに用いられるケースも多いようです。

凍結融解胚移植

凍結融解胚移植とは、顕微授精や体外受精でつくった胚(受精卵)を液体窒素の中で凍結させ、女性の身体が妊娠しやすい状態のときに融かして移植する不妊治療方法です。

凍結した胚(受精卵)は細胞の機能をそのままに保存できるため、妊娠しにくい40代以上の女性であっても受精卵が着床する確率が高まります

まとめ

40代を目前にして不妊治療のステップアップを考えている女性、または40代から不妊治療を始めようと考えている女性は、高度生殖医療に対応しているクリニックを選びましょう。

幸い、神奈川県は東京・大阪に次いで全国で3番目に生殖医療専門医が多い地域です(2019年3月29日現在:東京190名、大阪68名、神奈川61名)。通い続けやすいよう、アクセスの便が良い横浜エリアにある生殖医療専門医在籍の不妊治療クリニックを取り上げて紹介しているので、よかったら参考にしてみてください。

高度生殖医療に特化している
横浜の不妊治療クリニックを集めました

不妊治療を行うことによって考えられるリスク

不妊治療の方法によっては、多胎を発生させてしまう可能性が高くなると言われています。

  • 多胎による母体側のリスク:妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病をはじめとする合併症の発症
  • 多胎による胎児側のリスク:流早産、発育遅延や低出生体重児(2,500g未満)の出生、先天異常、新生児の死亡率の上昇、障害発症の可能性

多胎妊娠にともなう母子のリスクを回避するために、日本産科婦人科学会と日本生殖医学会は、学会員にむけて体外受精における移植胚数を原則1個にするように指示を出しました。これにより、体外受精における多胎妊娠の頻度は減少しています。

高度生殖医療におけるリスク

体外受精・顕微授精といった、体外で行う不妊治療をまとめて高度生殖医療と呼びますが、体外受精には卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、麻酔の合併症、採卵時の卵巣周辺臓器(血管・腸管・膀胱など)損傷といったリスクの可能性があります。また、顕微授精においては低出生体重児の傾向があり、心臓や呼吸器に障害を持つリスク、自閉症や注意欠陥多動性障害のリスクが高いとする報告があがっています。その他、精子凍結に関しては、凍結させた精子を融解する際に精子の運動率が50~80%ほどダウンすることが分かっています。ただし、融解後は再度精子の精製を行い、活発な精子のみを集めて治療に用いています。今のところ、凍結保存をした精子を使って生まれた子どもに先天奇形や発育不良が多くなるといった報告はありません。

男性不妊治療におけるリスク

男性不妊治療「TESE」におけるリスクとして、創部痛、発熱、精巣上体炎、陰嚢内血腫などの合併症が考えられます。予想外の合併症が起きる可能性がゼロとは言えないため、専門クリニックにしっかりと相談をしましょう。不妊治療専門の医療機関で処方されるサプリメント(漢方薬やビタミン剤、ホルモン剤など)を用いた薬物療法の副作用やリスクについては、医師にご確認ください。(2019年2月現在)