ステップで考える横浜の不妊治療クリニックガイド » 不妊治療の基礎知識 » 【年齢別】不妊治療で妊娠・出産できる確率

【年齢別】不妊治療で妊娠・出産できる確率

ここでは、実際に不妊治療を受けた方たちがどれくらいの割合で妊娠・出産しているのか調査したデータをわかりやすくまとめています。

不妊治療による20代の分娩確率(※1)

紹介するのは、公益社団法人日本産科婦人科学会の2010年のデータをもとに厚生労働省が作成した『不妊治療における年齢と生産分別率』という資料を参考にまとめたデータです。20代で体外受精を受けて出産した女性の割合は平均20%でした。24歳以下の分娩率が低いのは、体外受精を受けている女性の数自体が少ないためでしょう。分娩率は25~26歳をピークに緩やかに低下しています。

24歳以下 25歳~26歳 27歳 28歳~29歳
分娩率 約17% 約21% 約18% 約19%

※体外受精を受けたことがある女性を対象として、総治療周期数÷生産分娩数で生産分別率を算出したデータです

不妊治療による30代前半の分娩確率(※2)

こちらはART治療(※人工授精以外の体外受精)を受けた女性を対象としたデータです。国立成育医療研究センターが2006年から2008年にかけて調査した179症例の分娩率資料を参考に、わかりやすく表にまとめました。治療を受けた回数によって、分娩率が少しずつ高くなっていることがわかります。

治療回数 1回 3回 5回 9回
34歳以下 約30% 約47% 約62% 約69%

不妊治療による30代後半の分娩確率(※2)

こちらも30代前半の分娩率の表と同様に、国立成育医療研究センターが2006年から2008年にかけて調査したデータを参考にしています。治療回数が増えるごとに分娩率は高くなっていますが、30代前半のデータと比較すると9~26%低下していました。このデータから、不妊治療患者の妊娠率は30代前半・後半で大きな差が出るとわかります。

治療回数 1回 3回 5回 9回
35~39歳 約20% 約38% 約40% 約43%

不妊治療による40代の分娩確率(※2)

30代の分娩率データと同様に、国立成育医療研究センターが2006年から2008年にかけて調査したデータを参考にしています。表を見ると分かるように、40代の分娩率は治療回数がほとんど影響していないことがわかります。妊娠・出産の可能性はゼロではありませんが、40代で不妊治療を始めるとなればそれ相応の覚悟と精神力・体力が必要です。

治療回数 1回 3回 5回 9回
40歳以上 約8% 約10% 約10% 約10%

まとめ

女性は年齢を重ねるほどに妊娠・出産できる確率が低下してしまいます。これは、ほとんどの女性は30代半ば頃から徐々に子宮や卵巣の機能が低下するためです。年代ごとに分娩率が異なるように、受けるべき不妊治療も年代や身体の状態によって変わってきます。

過去に不妊検査や治療を受けたことがある人も、年齢に適した治療を受けるため、改めて検査を受けて今の自分に最適な治療がないか医師に相談してみてください。

【参考文献】

(※1)厚生労働省「不妊に悩む方への特定地領支援事業などのあり方に関する検討会」報告書参考資料(16 不妊治療における年齢と生産分娩率)【PDF】

(※2)厚生労働省「不妊に悩む方への特定地領支援事業などのあり方に関する検討会」報告書参考資料(18 年齢別にみた累積分娩率)【PDF】

不妊治療を行うことによって考えられるリスク

不妊治療の方法によっては、多胎を発生させてしまう可能性が高くなると言われています。

  • 多胎による母体側のリスク:妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病をはじめとする合併症の発症
  • 多胎による胎児側のリスク:流早産、発育遅延や低出生体重児(2,500g未満)の出生、先天異常、新生児の死亡率の上昇、障害発症の可能性

多胎妊娠にともなう母子のリスクを回避するために、日本産科婦人科学会と日本生殖医学会は、学会員にむけて体外受精における移植胚数を原則1個にするように指示を出しました。これにより、体外受精における多胎妊娠の頻度は減少しています。

高度生殖医療におけるリスク

体外受精・顕微授精といった、体外で行う不妊治療をまとめて高度生殖医療と呼びますが、体外受精には卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、麻酔の合併症、採卵時の卵巣周辺臓器(血管・腸管・膀胱など)損傷といったリスクの可能性があります。また、顕微授精においては低出生体重児の傾向があり、心臓や呼吸器に障害を持つリスク、自閉症や注意欠陥多動性障害のリスクが高いとする報告があがっています。その他、精子凍結に関しては、凍結させた精子を融解する際に精子の運動率が50~80%ほどダウンすることが分かっています。ただし、融解後は再度精子の精製を行い、活発な精子のみを集めて治療に用いています。今のところ、凍結保存をした精子を使って生まれた子どもに先天奇形や発育不良が多くなるといった報告はありません。

男性不妊治療におけるリスク

男性不妊治療「TESE」におけるリスクとして、創部痛、発熱、精巣上体炎、陰嚢内血腫などの合併症が考えられます。予想外の合併症が起きる可能性がゼロとは言えないため、専門クリニックにしっかりと相談をしましょう。不妊治療専門の医療機関で処方されるサプリメント(漢方薬やビタミン剤、ホルモン剤など)を用いた薬物療法の副作用やリスクについては、医師にご確認ください。(2019年2月現在)