不妊治療の基礎知識

ここでは、不妊治療の基本のステップから、年齢別に適した治療法、助成金の申請方法、治療のリスクまで、基礎知識をまとめて解説していきます。

不妊治療の流れをおさらい

不妊治療をこれから受けようと考えている方にとって、どのような流れで不妊治療が行われるのかは気になるかと思います。一般不妊治療、高度生殖医療において、どのような治療が行われるのか、一緒におさらいしましょう。

STEP1:一般不妊治療

タイミング法

男女ともに妊娠能力に異常はないか、さまざまな検査を行いながら、医師から排卵の最適なタイミング指導を受けて自然妊娠に取り組みます。回数は、年齢によって平均3〜12回ほど。

人工授精

タイミング法で妊娠が難しそうな場合、子宮頸管に細い管を入れて人工的に受精をします。回数は、3〜6回が一般的。それ以上の回数行っても、人工授精で妊娠するケースは稀なため、次のステップに進みます。

STEP2:高度生殖医療

体外受精

体外受精では、女性の卵子と男性の精子をそれぞれ採取して、体外で受精、受精卵を再び子宮に戻して妊娠を待ちます。妊娠の確率を上げるために、最初にホルモン薬(飲み薬と注射)で排卵をコントロールしながら行います。

顕微授精

体外受精の治療のひとつで、通常の体外受精では、採取した卵子に複数の精子を注入しますが、顕微授精では、顕微鏡を覗きながら、卵子1個に対して精子1個を直接注入します。精子無力症や、抗精子抗体、通常の体外受精を繰り返しても妊娠しない場合などに有効。

不妊治療は年齢や原因によって、どのステップから治療を行うべきかが変わってきます。まずはクリニックで検査を受けてみましょう。

抑えておきたい不妊治療のキホン

不妊治療を始めるにあたって、これだけは押さえておきたいキホン情報を集めました。パートナーと一緒に確認してください。

年齢に適した不妊治療について

女性は、年齢によって妊娠能力や分娩率が変わってくるため、適した治療法が変わってきます。20〜40代まで、年代別の不妊治療事情を知って、確実で負担の少ない出産を目指しましょう。

年齢に適した不妊治療について

不妊治療による「夫婦のすれ違い」

時間もお金もストレスもかかる不妊治療では、夫婦の関係がうまくいかずに悩んでいる人たちもたくさんいます。治療を円滑に行うために、先輩夫婦たちの体験談を参考に見ていきましょう。

不妊治療による「夫婦のすれ違い」

助成金の申請対象となる不妊治療

体外受精、顕微授精などの一部の不妊治療では、国から助成金がもらえます。助成の条件、申請方法、必要書類、上限額など、お伝えしていきます。

助成金の申請対象となる不妊治療

保険適用となる不妊検査・不妊治療

助成対象となる治療以外にも、実は不妊治療は、保険適用で受けられる検査や治療法も多くあります。損をしないためにも、これらの治療法はしっかりと事前に確認しておきましょう。

保険適用となる不妊検査・不妊治療

不妊治療をいつから初めていつまで続けるべきか

とくに女性は、不妊治療は可能な限り早い時期から始めるのがおすすめ。37~38歳で生殖能力は急激に低下し、妊娠率は18%にまで減少します。治療の見直し時を知っておくことも必要です。

不妊治療をいつから初めていつまで続けるべきか

40代以上の高齢不妊治療について

40歳を過ぎると自然妊娠の確率は1割以下に低下します。しかし、妊娠・出産が不可能なわけではありません。後悔しないように、40代に適した不妊治療と妊娠・出産しづらくなる理由を知っていきましょう。

40代以上の高齢不妊治療について

年齢別:不妊治療で妊娠・出産できる確率

不妊治療を受けた女性たちが実際にどのくらいの確率で妊娠・出産にいたっているのか知るべく、厚生労働省が発表しているデータを参考に年代別の分娩率を一覧にまとめました。不妊治療を受けるうえで大切な情報になりますので、参考にご覧ください。

年齢別:不妊治療で妊娠・出産できる確率はこちら

不妊治療を行うことによって考えられるリスク

不妊治療の方法によっては、多胎を発生させてしまう可能性が高くなると言われています。

  • 多胎による母体側のリスク:妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病をはじめとする合併症の発症
  • 多胎による胎児側のリスク:流早産、発育遅延や低出生体重児(2,500g未満)の出生、先天異常、新生児の死亡率の上昇、障害発症の可能性

多胎妊娠にともなう母子のリスクを回避するために、日本産科婦人科学会と日本生殖医学会は、学会員にむけて体外受精における移植胚数を原則1個にするように指示を出しました。これにより、体外受精における多胎妊娠の頻度は減少しています。

高度生殖医療におけるリスク

体外受精・顕微授精といった、体外で行う不妊治療をまとめて高度生殖医療と呼びますが、体外受精には卵巣過剰刺激症候群(OHSS)、麻酔の合併症、採卵時の卵巣周辺臓器(血管・腸管・膀胱など)損傷といったリスクの可能性があります。また、顕微授精においては低出生体重児の傾向があり、心臓や呼吸器に障害を持つリスク、自閉症や注意欠陥多動性障害のリスクが高いとする報告があがっています。その他、精子凍結に関しては、凍結させた精子を融解する際に精子の運動率が50~80%ほどダウンすることが分かっています。ただし、融解後は再度精子の精製を行い、活発な精子のみを集めて治療に用いています。今のところ、凍結保存をした精子を使って生まれた子どもに先天奇形や発育不良が多くなるといった報告はありません。

男性不妊治療におけるリスク

男性不妊治療「TESE」におけるリスクとして、創部痛、発熱、精巣上体炎、陰嚢内血腫などの合併症が考えられます。予想外の合併症が起きる可能性がゼロとは言えないため、専門クリニックにしっかりと相談をしましょう。不妊治療専門の医療機関で処方されるサプリメント(漢方薬やビタミン剤、ホルモン剤など)を用いた薬物療法の副作用やリスクについては、医師にご確認ください。(2019年2月現在)